校長だより    ~ 感謝、全力、チーム日高! ~

2016年3月の記事一覧

晴れ 第3学期終業式校長講話

おはようございます。

  終業式にあたり、3点お話しします。1点目は「本校の卒業式」について、2点目は「新入生を迎えるにあたって」、3点目は「東日本大震災」についてです。

 1点目の「本校、日高高校の卒業式」についてですが、今だから言えることですが、昨年の卒業式の日にショックをを受けたことがありました。それは、卒業式終了後に校長室である来賓の方がこう言われたのです。「校長先生、厳粛で素晴らしい卒業式でしたね。ただ、校歌の歌声が聞こえなかったは残念でした。」その言葉に他の来賓の方も気まずそうに頷かれていました。その言葉に衝撃を受けましたが、その時からリベンジが始まりました。入学式の校歌披露に向けて、生徒会役員や部活動部員が音楽室でまだ本校に着任前の音楽の吉田先生の指導の下、特訓を重ねました。その成果で、入学式では素晴らしい歌声を披露してくれました。そして、始業式・終業式など機会あるたびに練習を重ねてきました。音楽の吉田先生は非常勤講師という立場なので授業を担当していただけば良いところ、練習のたびに時間を調整して足を運んでいただき指導をしていただきました。そして卒業式予行で最後の全校生徒での校歌練習を行い当日を迎えました。そして、1年間の取組の結果は、今年、来賓の方から校長室で頂いた講評はこうでした。「校長先生、厳粛で校歌の歌声が体育館に響く素晴らしい卒業式でしたね。」リベンジ達成です。時間を割いて来ていただいた吉田先生に、この場を借りて御礼いたします。ありがとうございます。生徒会長の竹内君には話してありますが、是非「校歌の歌声が響く卒業式」を日高高校の伝統にしてください。来年度も、さっそく4月8日の校歌披露から始まります。よろしくお願いします。

 2点目の「新入生を迎えるにあたって」ということですが、これは、新入生の出身中学校の校長先生から直接お聞きしたお話しです。その校長先生は、日高高校を受検する生徒の面接練習をされました。その面接練習の中で「日高高校を何故志望したんですか。」という質問をしました。その生徒はこのように答えました。「学校説明会に参加した時に、日高高校の生徒の方にとても親切に案内してもらい、笑顔で頑張って下さいと言葉をかけて頂きました。このような先輩のいる学校で勉強したいと思い決めました。」校長先生は「日高高校には素晴らしい生徒さんがいらっしゃるんですね。そのことを直接お伝えしたいと思っていました。」と言っていただきました。私もとっても嬉しく思いました。是非新入生を温かく迎え、充実した学校生活を送れるように励ましてください。そして、来年度も学校説明会を実施していきますが、多くの皆さんにボランティアに携わってもらいたいと思います。是非よろしくお願いします。

 3点目は「東日本大震災」についてです。3月11日の卒業式開式前に、震災から満5年に際し、黙祷をささげお亡くなりになられたすべての方々の御冥福を祈らせていただきました。私は日高高校でも何か復興支援ができることはないかと考えていました。そして、丁度昨年の今頃、生徒会顧問の佐々木先生・根岸先生と話をしました。「将来的にはいつか日高高校として東北復興支援ボランティアに携わりたい。」と校長としての思いを話しました。すると30分後にお二人が校長室に再び、現れて、「校長先生、復興支援ボランティア、やりましょう。今年、行きましょう。」と言ってくれたのです。そして何も決まっていないところからスタートし、7月の21日から23日の宮城県気仙沼に於けるボランティア実施に漕ぎ着けたのです。1日目はバス車中泊で翌朝到着してからまる1日ボランティアに携わりました。私も根岸先生、佐々木先生とともに引率者として参加しました。大変ハードな3日間でしたが貴重な経験でした。ボランティアの合間に、気仙沼復興協会職員の方が被害が最も大きかった地域に私たちを案内してくれました。海岸沿いの何もない地形を前に、「ここにかつて住宅街がありました。すべて流され、住民の3人に1人が亡くなられました。」という説明に言葉も出ませんでした。慰霊碑に生徒一人一人がお線香を供え、最後に私に「校長先生は日高高校の全教職員、全生徒の代表として祈って下さい。」とお線香を束のまま渡していただきました。お子さんを亡くされた方の中には、慰霊碑を抱きしめて、わが子がそこにいるように話しかける人もいるということです。そして宿泊したホテルは3月11日の津波の直後から、避難所でないにもかかわらず、目の前の避難者をほっておけないという経営者の思いで避難者を受け入れたホテルでした。社長さんは「これからの人生を震災の語り部として生きていくことが自分の使命です。」と言われ、夕食後に真剣に語っていただいたことは私も含め参加者全員の魂を揺さぶるお話しでした。気仙沼を出る時に復興協会の方がこう言われていました。「私たちの一番の願いは、一人でも多くの人に現地に足を運び自分の目で見てもらいたいということです。日高高校の生徒の皆さんが来てくれて本当にうれしく思いました。また是非来て下さい。」

 是非、皆さんも東北に行く機会があれば行って自分の目で見て、何ができるかを考えてください。本当の復興支援はこれからだと言われています。

 さて、終わりに、本日は一年間の学校生活のまとめの日といえます。1年間を振り返りどうだったでしょうか。いよいよ、4月からは、3年生は高校生活の総決算であるとの自覚を持って最善を尽くし卒業というゴールまで駆け抜けて下さい。2年生は、学校行事や部活動で中心的に活躍する時を迎えます。是非、それぞれの目標を明確にして、目の前の課題から逃げずに挑戦してください。

 来年の皆さんの頑張りを期待して校長講話を終わります。





第40回卒業証書授与式 式辞

式辞

 春の足音がそこかしこに聞こえる今日この日、PTA会長 齊藤あゆみ様、後援会副会長 本山洋一様はじめ、多くのご来賓の皆様、保護者の皆様をお迎えし、埼玉県立日高高等学校 第40回卒業証書授与式を挙行できますことは、私たち教職員にとりまして、この上ない慶びとするところであります。
 ただ今卒業証書を授与しました136名の皆さん、卒業おめでとうございます。
 また、保護者の皆様にとりましても、お子様の三年間の成長を前に喜びもひとしおかとご推察申し上げ、お子様のご卒業を心からお喜び申し上げます。 卒業生の皆さんとは、昨年、校長室で順番に面談をさせていただきました。皆さんは3年間で人間的に大きく成長していることが感じ取れました。学校生活の感想を聞いた時に「最初は順調に学校生活が送れず先生方の励ましが無ければ卒業までたどり着けませんでした。先生方には本当に感謝しています。」と言った人がいて、とても嬉しく思いました。面談では、皆さんの将来の夢・目標を訊きました。中には、「中国語と日本語を身に付けたので、大学で英語をマスターし、3か国語を駆使して仕事をしたいと思っています。」などと国際社会で活躍する夢を抱いている人もいました。「10年後に幸せな結婚をして子供は3人。」と具体的なビジョンを語ってくれた人もいました。また卒業して一番したい事はという問いかけに「親孝行することです。」と答えた人がいました。「就職して最初の給料でプレゼントを贈ります。」との言葉に優しい心遣いを感じました。
 さて、ここで巣立ちゆく皆さんへのはなむけの言葉として三点お話しいたします。 
 まず第一に「目標を持って生きよ」、そして次に「誠実に生きよ」、最後に「生涯、学びの人生を」ということです。最初の「目標を持って生きよ」ということですが、面談をとおして、具体的な将来の目標を持っている人が何人もいることが分かりました。例えば、「将来、オーストラリアで牧場を経営したい。そのために大学で経営学を学びます。」という男子生徒がいました。料亭の調理人として就職する人もいます。当初女性は想定していないと断られましたが、強い希望が認められ、会社から女性用の寮も用意していただき板前の世界に飛び込みます。面談の中で「修行を重ねて、腕を磨き将来は自分の店を持つことが目標です。」と語ってくれました。同様に女性には厳しいと断られてもあきらめず、左官工として建設会社に就職する人もいます。やはり面談の中で「将来は一級建築士の資格を取り設計にも携わりたい」と抱負を語ってくれました。是非、目標実現のために困難を乗り越えて努力を続けてください。
 具体的な目標はこれからの人生の羅針盤です。羅針盤がなければ進む道が分からず迷ってしまいます。人生の目標は年齢とともに変わっていくかもしれませんが、常に今、現在の目標を持って人生を送って下さい。
 次は、「誠実に生きよ」ということです。昨年このようなことがありました。ある企業の採用担当の方が求人票を持って来校されました。車で正門に差し掛かったところ、その場に居合わせて門を開けてくれた生徒がいます。その方は、進路指導室で「生徒の対応に感激しました。」と褒めていただき、気持ち良く求人票を置いていかれました。そして2か月後、会社見学の時期となり、その企業を希望し、訪問したのはその校門を開けた生徒でした。採用担当の方もあまりの偶然にびっくりしましたが、再会を喜んでいただき、晴れて就職試験にも合格し、この4月からその会社で働きます。皆さんの中の一人のエピソードです。
 常に誠実な人、一生懸命努力している人は必ず周りの人から信頼され、いざという時にも応援をしてくれるでしょう。誠実に生きる人には、素晴らしい人間関係ができます。生涯の宝物となる素晴らしき人間関係を築くためにも、「誠実に生きて」下さい。
 そして、最後は「生涯学びの人生を」ということです。進学する人だけでなく、就職をして仕事をする人にとっても、今の時代は生涯学んでいくことが要求されます。学びへの挑戦ということでは、今年度は大学に一般受験で挑戦し、合格した人も何人かいます。中には不合格を何回か重ねても、最後まであきらめずに、見事合格の栄冠を勝ち取った人もいます。また、卒業間近にも関わらず最後まで資格取得に挑戦し、簿記や情報処理などの、全国商業高等学校協会検定試験5種目で1級を取得した人がいます。日高高校の歴史に残る記録を作ってくれました。在校生の皆さんは、その輝かしい記録を破って下さい。
 大きく変化している現代の社会に於いてはどんな立場であろうと、日々学び続けることが求められています。絶えず学び続け、何でも吸収する心の柔軟さを持って下さい。人生の勝利をもたらすために、生涯学び続けて下さい。
 以上はなむけの言葉として三点お話ししましたが、終わりに、皆さん一人一人が将来の夢、目標を持って出発することを願い、アメリカの民衆詩人ホイットマンの詩集『草の葉』の一節を贈ります。
「さあ、出発しよう、悪戦苦闘を突き抜けて、
 決められた決勝点は取り消すことができないからだ」
 皆さん一人一人の「人生の決勝点」に向かい、苦労を追い風にして進んで下さい。今後の人生をしっかり生き抜いてくれることを期待しております。
 谷ヶ崎市長様をはじめ、地域・関係機関の方々、保護者の皆様方から本校に寄せていただきましたご支援とご協力に心から感謝申し上げますとともに、卒業生の皆さんの今後の活躍をお祈りし、式辞としたします。

平成二十八年三月十一日

埼玉県立日高高等学校長 西宮 俊明