活動報告

2015年7月の記事一覧

NEW 全国高等学校総合文化祭出場に向けた思い。

「日高高校かるた同好会」の新井大和君(3年)は、県高校かるた大会を勝ち抜き、28日から滋賀県内で開催される「第39回全国高校総合文化祭(びわこ総文)」という文化部のインターハイに出場します。「小倉百人一首かるた部門」に県代表選手の一人として出場する新井君。かるた同好会顧問の木田先生と共に、大会への意気込みや、かるた同好会について語ってくれました。(インタビュアー:事務室・中川)

中川
まずは7月20日に滋賀県の近江神宮で開催されました「第37回全国高等学校小倉百人一首かるた選手権大会」、お疲れさまでした。個人戦ということですが、本校からは4名出場し、2年生の石川紗帆さんがD級4位入賞という結果でした。新井君も出場し、惜しくも入賞は逃しましたが、終えてみての感想を聞かせてください。

新井
全国は広い、と実感しました。自分より強い人がまだまだたくさんいて。あと、この2年間かるたをやってきて、埼玉は埼玉のプレースタイルがあって、他の地方にはまたそれぞれのスタイルがあるのだと学びました。

中川
埼玉のプレースタイルについて、何か特色はありますか。

新井
礼儀がしっかりしている、というか、よく「ゆずる※」スタイルだとは言われますね。
※ゆずる…基本的に審判がいない競技かるたにおいて、札をどちらが取ったのか主張しあう場合がある。その際当該札に執着せず、「揉めるより次の一枚」と気持ちを切り替えるスタイルのこと。

中川
現在「びわこ総文」に向けて調整中だと思うのですが、県大会を勝ち抜いて、様々なメディアにその活躍が取り上げられていますよね。プレッシャーは感じていますか。

新井
本番になってみないと分からない部分はありますが、今現在でいうと、やはり感じています。寄せられている期待が大きい分、それに応えなきゃ…という。

中川
過去3年間、埼玉チームはべスト8から外れたことがありませんよね。今年の目標はありますか。

新井
埼玉チームの監督からは「メダルがほしい」と言われました。でも自分としては「優勝」目指して現在努力しているところです。強豪と戦いたい、という思いがあるので。

中川
強豪というと、東京や群馬、栃木が思い浮かびますが。

新井
静岡も強いですね。

中川
そうですね。何か作戦を練ったりしているのでしょうか。

新井
チームとしての作戦は監督が練っていますが、僕個人としては「自分自身のかるた」とか
「声」でみんなを励ましたいな、と考えています。

中川
埼玉チーム8人中、男性は新井君1人ですよね。その中で何かやりづらさを感じることはありますか。

新井
あまり感じませんね。みんなで一つのチームという感じで。たまに連絡を取り合ったり、かるたの話をしたりして、仲はいいと思います。

中川
このチームには勝ちたい!という相手はいるのでしょうか。

新井
僕は東京に勝ちたいと思っています。他のみんなは分からないですけど、それぞれに「勝ちたい思い」というのはあると思います。

中川
新井君はかるた部門の選手というだけでなく、びわこ総文に参加する埼玉県の生徒の代表として、総合開会式に参加するんですよね。選出された心境はいかがですか。

新井
選出されたと聞いたとき、とても驚いて。代表挨拶で何を話そうかとか全く分からなかったのですが、木田先生とずっと一緒に考えてきて、今は前向きな気持ちでいます。

中川
顧問の木田先生のお話が出たところで、日高高校生としての新井君について伺いたいと思います。新井君は日高高校に入学してから競技かるたを始めたのですよね。

新井
そうですね。

中川
競技かるたの魅力ってなんでしょう。

新井
入った当時は、和服で畳の上で競技したり、和風なイメージがあって。そういうところに興味を持ったんですよね。実際に始めてみると、競技かるたって、1時間半くらい畳の上で集中していたり、結構辛くて。でも読手の読みに感動したり、札を気持ちよく払えたときに、「かるたをやってて良かったなぁ」と改めて思うんです。あと相手がすごく強かったりすると、その上をいきたいと思います。

中川
互いに競い合い、高めあっていく、というのも魅力なのですね。

新井
そうですね。

中川
木田先生は、新井君が入ったときに、どのような印象を持ちましたか。

木田
彼は1年の夏休みの始めに入ったんですね。それまで男子部員は少なかったので、男子どうしお互いに競いあって伸びてくれればいいと思いました。期待を非常に大きく感じていました。

中川
新井君のいいところって、どんなところでしょう。

木田
難しいこと聞きますね(笑)最近叱ってばかりだからなぁ…。そうですね、前向きな姿勢があるところですね。強くなりたいとか、伸びたいという気持ちがあるところです。

中川
向上心があるということですね。新井君は競技かるたの埼玉県代表というだけでなく、日高高校の生徒会長でもあるわけですが、その両立は難しくないですか。

新井
難しいですね。

中川
その中でモチベーションを保つというか、心掛けていることはありますか。

新井
やっぱり、仕事だと思うと続かないことがあるので、楽しむ気持ちを忘れないようにしています。

中川
仲間たちからエールをもらったりはしますか。

新井
生徒会の皆からは、部活のほうに行ってくださいと言ってもらいました。周りのみんなに助けてもらっていると感じています。

中川
普段の練習量はどれくらいなのでしょうか。

新井
平日、放課後だと2試合(3時間)くらいです。半日練習だと2・3試合(3、4時間)、休日の1日練習だと5試合程度(7、8時間)になります。その他、動画サイトで名人戦を見たりして、自分に足りないところは無いかと研究したりしています。

木田
日高高校かるた同好会は現在人数が少ないので、休日には朝霞かるた会の人達に来てもらって一緒に練習しています。中学生でも結構強い子もいるんです。なかなか敵わない…(笑)

中川
日高高校かるた同好会のいいところって、どんなところでしょう。

新井
人数が少ないながらも、競技を頑張っているところがとてもいいなと思います。

木田
他には、「競技かるたってこういうものですよ」っていうことをアピールする活動にも力をいれています。例えば、夏休み中の公開講座で地元の小学生に競技かるたを教えたり、1月には所沢市教育センターのイベントに呼ばれて模範試合をやりました。単に強さを求めるだけじゃなくて、普及活動にも力を入れているってところが、他の学校にはないところかなと思います。

中川
かるたの魅力を広める活動にも力をいれているということですね。新井君から見て、木田先生ってどんな存在ですか。

新井
木田先生は憧れというか、払いが速くて格好いいなと思っていて、目指すべき存在だと思っています。読手としても対戦相手としてもすごくて、試合の払い手としてはまだ敵わないところがあるので、見習わなくてはと思います。

中川
木田先生は以前「出場級でも俺を超えてほしい」と仰っていましたが。

木田
今では私に並んでいますよ(笑)

中川
ではこれから越えていくところですね(笑)新井君の好きな一首はなんですか。

新井
そうですね、「秋の田のかりほの庵の苫をあらみ わが衣手は露にぬれつつ」かな。

中川
それはどうしてですか。

新井
作者の天智天皇は、滋賀県大津市の近江神宮に祭られているのですが、近江神宮は僕も先日参加した「全国高等学校小倉百人一首かるた選手権大会」(競技かるたの甲子園)の会場なので、この歌をみると全国大会が思い起こされるというか。自分もそこに行きたいな、そこでかるたをしたいな、という思いが浮かんでくるんです。

中川
歌を通して滋賀の近江神宮に思いを馳せるわけですね。新井君は27日からまた滋賀県入りするわけですが、木田先生から「びわこ総文」で、埼玉代表の一人として全国相手に立ち向かっていく新井君へ、何かメッセージをお願いします。

木田
埼玉チームとしては8人のメンバーから1試合につき5人が出るのですが、試合に出た時も出ないときも、チームの一員として変わらない気持ちで臨んでほしいと思います。今から出来ることを全部やって、悔いの残らないように、残り何日間かで全力を注いでほしいと思います。期待しています。

中川
では最後になりますが、新井君みたいに競技かるたをやってみたいとか、強くなりたいという気持ちを持っている子供たちに、何かメッセージをお願いします。

新井
かるたは分からない部分が多いから、追究したくなるんです。分からないけど、もう少しやってみよう、という気持ちが大切です。かるたの奥深さに一度触れると、もっと追究したいという気持ちがわいてくる。そうすると、いつの間にか夢中になっていて、気がつけば競技かるたが生活の一部になってしまうんです。

中川
木田先生、新井君。 本日は忙しい中、インタビューにお答えいただきありがとうございました。新井君の「びわこ総文」での活躍を祈っています。

 

                         強豪と戦いたい―
                         穏やかな表情の中に
熱意が浮かぶ
 

 

晴れ すごいぞ!!全国高等学校選手権入賞!

 7月19日(日)、20日(月)に「かるたの聖地」滋賀県大津市の近江神社を中心(注1)に、全国高校かるた選手権大会(注2)が行われ、20日の個人戦に本校から3年生 新井大和・松本佑希・仲淳也、2年生 石川紗帆の4名が出場しました。
 全国の強豪がひしめく中、男子3名は惜しくも1回戦で敗退しましたが、2年生の石川は熊本、群馬、奈良の選手を破り、見事にD級4位に入賞。賞状と盾を手に喜びの表情を見せていました。
 また、試合の前後には漫画「ちはやふる」にも出て来るゆかりの場所で記念撮影を行いました。

注1 会場が1箇所のみではおさまらいので、「を中心に」の方が正確。石川が試合をした場所は滋賀県立武道館。
注2 正式名称は「第37回全国高等学校小倉百人一首かるた選手権大会」19日が団体戦、20日が個人戦。